旋盤加工現場で見られる「丸もの部品」とは何か?詳しくご紹介!

旋盤加工では、加工物を回転させて加工することが多く、回転させた材料に「バイト」などと呼ばれる切削工具を押し当て、徐々に削って加工します。旋盤加工で加工する加工物は、丸棒など丸い形をしていることが多く、その形状から「丸もの」と呼ばれるのです。実際、加工して出来上がった製品も丸もの部品が多く、今回は旋盤加工の丸もの部品とはどのようなものかご紹介します。

1. 丸もの部品とは

私たちが日常生活で使用している、動きがある機械類には複雑な機構が複数あり、それらが関係しあってその機械に求められている動きになります。それらの機械が動く基礎となる部分は大部分が「回転運動」なのです。回転運動に焦点を当てると、軸状・筒状・リング状・丸い輪・ディスクなどが多く見られます。さらに、中心部の軸も円筒状のものが大部分です。このような丸い部品を総括して、加工現場では「丸もの」または「丸もの部品」と呼んでいます。

1-1. 多くの丸物部品が旋盤で加工される

このような丸もの部品の多くは旋盤で加工され作られています。丸もの部品と旋盤加工は、たいへん深い関係があるのです。旋盤加工は丸もの加工の基本で、機械加工の中で最も使用される工作機械です。加工する加工物が回転し、バイト(刃物)を正確に当てて加工を行います。加工が完了した加工物の形状は丸くなることがほとんどです。このような加工工程が旋盤の旋削加工なのです。 旋盤加工ではさまざまな加工品が製作されます。旋盤は回転運動が中心だけに、丸い素材を使用するケースがよくあります。旋盤工程ではとりわけよく円で加工されることが多く、「丸もの」や、「丸もの部品」の呼び方が徹底されているのです。

2. 丸もの部品の具体例

この章では旋盤で加工される、代表的な丸もの部品をご紹介します。

2-1. シャフト

シャフトは「軸」を意味し、ほとんどの場合、動力を伝達するために用いられます。丸い棒状の回転軸になる部品です。回転運動部分がある機械では、シャフトは欠かせません。シャフトはたいへん重要なパーツで、旋盤加工で作る丸もの部品の一種といえます。

2-2. ブッシュ

ブッシュ(軸受)は、一般的には、部品同士の隙間を埋める部品です。ブッシュは軸受を含みますが、軸受はベアリングとも呼ばれ、回転する軸を支える部品です。旋盤加工ではブッシュの加工も多く、ブッシュも丸もの部品として多く作られます。

2-3. ノズル

ノズルは、気体や液体などの流体が流れる方向を一定にするために、使用するパイプ状の機械部品です。ノズルは流体を噴射する先端になるケースもあり、微細な孔加工が必要となります。旋盤が得意とする加工であり、ノズルも丸もの部品といえるのです。

2-4. ねじ

旋盤加工では、ねじ切りも行います。ねじは大別すると、外側に溝がある「雄ねじ(おねじ)」と、内側に溝がある「雌ねじ(めねじ)」の2種類です。旋盤はどちらも対応可能です。 また、雄ねじは大きさによって、ボルトとビスの2種類に細分化できます。ボルトは一般的に直径8mmより大きい雄ねじです。頭は六角か四角形のものが一般的です。一般的に直径1mm~8mmほどの小さな雄ねじをビスと呼びます。ビスも旋盤加工で作るときは丸もの部品です。

2-5. 旋盤で多くの丸もの部品が作られる

以上の説明通り、旋盤ではさまざまな丸もの部品が製作されます。他にも、ピン・配管継手・ニップル・コネクタから、ドアノブや椅子の一部などまで加工可能です。

3. 丸もの部品を加工する主な旋盤を紹介

旋盤は、加工するものの大きさや加工方法で、さまざまな種類の部品や製品を加工できます。この章では、現在主流となっている加工能力の高い旋盤についてご紹介します。

3-1. 汎用旋盤(普通旋盤)

汎用旋盤(普通旋盤)は、作業者(職人)が刃物台の送り操作や切削工具の交換作業を、人の手で実施する旋盤です。複雑な構造で精巧な完成度が求められる1点ものの製作や、ミリ単位以下の微調整を繰り返しながら製作する、試作品などの加工に向いています。

3-2. NC旋盤

現在主流になっているのが、コンピュータで制御するNC旋盤です。刃物台の動きなどが、ミリ単位以下まで制御可能です。加工前に正確なデータをコンピュータへ記憶させておくと、設定された数値通りに自動で加工してくれます。英語で数値制御を「Numerically Control」と呼ぶことで、NC旋盤と呼ばれています。また、刃物台の動きが数値管理されていることで、誤差が生じにくく、大量生産も可能になるのです。

4. まとめ

旋盤加工で製作されたもののほぼすべてが、その形状から「丸もの」「丸もの部品」と呼ばれます。実際には日常生活で使用する汎用品から、宇宙探査で使用する完成度の高い「丸もの部品」まで旋盤で加工しています。このように、日本の丸ものの加工技術は、精度が高い世界トップクラスの優れモノなのです。
「有限会社岩井鐡工所」は、金型部品の旋盤加工を中心に、金属加工まで幅広く承っております。当社は富山県黒部市で昭和43年(1968年)5月に創業いたしました。それ以来、富山県はじめ多くの皆様からご愛顧を賜ってまいりました。常に、加工技術を磨き、設備も充実させております。最新の旋盤加工も対応可能です。旋盤加工をはじめとした金属加工のご用命は、是非当社へお任せください。